日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年6月24日相手の聞きたいことを話そう!

先日、私が住んでいるマンションでインターネット光回線導入を検討することになり、外部の業者の方に説明に来てもらいました。



 

ところが、担当の方には失礼ながら、その説明がかなりわかりにくいものでした。

最終的に理解できた説明内容を要約すれば次のようなものでした。

・マンションの1/3の世帯に光回線を引き込むための工事が必要で、その金額は90万円ほど

・共用部分の工事なので、費用はマンションの管理費から支出することになる

しかし、その担当の方は、マンションの構造を細かく説明した上で、どの部分にどういう工事をせねばならないか、ということを延々と説明したのです。

しかもその説明の中に私たちが理解できない専門用語がかなり使われていました。

結局、20分ほど説明を聞いた後、ある参加者が、

「では、その工事をしなければ1/3の世帯は高速のインターネット回線が引けないのですね」

と確認したのですが、担当の方は、

「え~、今の状況でも2/3のお宅にはそのまま回線が引けます。だから、2/3の方は大丈夫です。」

という回答で、質問にも的確に答えてくれませんでした。

それからも幾つかやり取りがあって、やっと説明の概要が把握できたのでした。

 

この担当の方のように、相手にわかりやすく話をしたいがどのように話せばよいのか分からない、という人は多いようです。

話し方教室ベーシックコースでも、上司から、

「あなたの話はわかりにくいので、話し方の勉強をしてみたら?」

と言われてきました、という方が少なくありません。

では、わかりやすく話すためには、どういうことに気をつけたらいいのでしょうか。

 

1つ目は、相手が何を聞きたいかという点に心を向ける、ということです。

わからない話をする人は、自分が説明する「物」に焦点を当てて話す傾向があります。

上の例だと担当の方は、

・どのような工事をするのか

・その工事がなぜ必要なのか

を説明することしか頭になく、相手が何を聞きたいと思っているか、ということは考えていませんでした。

私たち住民は、

・その工事をしないとどういう事態になるのか

・それを回避するためにどんな手段があるか

・コストはどれくらいか

ということを聞きたいと思っていたのです。

まず相手が何を聞きたいのかに心を向けるようにしましょう。

 

2つ目は、相手に質問する、ということです。

相手が何を聞きたいのかに心を向けたら、次はそれを確認するために相手に質問しましょう。

上の例では、この担当の方が始めに、

・この回線導入でどういう効果を期待されていますか

・回線導入にあたって懸念されていることは何ですか

など、まず私たちに質問をすべきでした。

そして、相手の答えを聞いたらすぐに話し始めずに、この説明で間違いないだろう、という確信が得られるまで更に質問を幾つかするのです。

こうして相手の欲していることをしっかりとつかんだ話をすれば、わかりやすい話をすることができます。

 

今回は、わかりやすく話すポイントのうち、入り口部分の2つをご紹介しました。

全ての話は一方的にするのではなく、相手に意識を向けて準備し、相手の様子を見ながら話すことが肝心なのです。

 

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